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シンガポールの屋台って?
シンガポールで地元の人のお腹を満たす屋台、ホーカーといいます。そしてホーカーが集まっているのがホーカーセンター。


以前(20年くらい前)はバラバラで営業されていた屋台ですが、政府の指導でお店がまとめられて、今は「ホーカーセンター」と呼ばれるフードコートにお店が集められています。シンガポールは日本よりも政府によって色々なことが管理されている国なんです。
だから屋台の店主も政府に「あっちに移転して!」と言われたら、「ヤダ」と言わず「OK!グーグル!」と引越しするのです。
ホーカーセンターってどんな感じ?
日本で言えばイオンのフードコート オープンエア版のイメージです。屋根はあるけど壁は、ほぼない。

衛生レベルは噂によるとEまであるらしいです。AかBを選ぶのが◎。
日本のフードコートと違うところは・・・
- ウォーターサーバーがない (お水をふくめ、飲み物は買うもの)
- 店舗の数が多いところが多い
- 毎日、毎食、楽しめる手軽な価格設定
- 食器を返却しなくてOK(係の人が片付けてくれる)
- 集めた使用済み食器は全店舗分をまとめて洗っていること
- 好き勝手に閉店してるお店があること(定休日だったり、完売閉店だったり)
- ミシュランの味まで楽しめる
格安屋台でありながら、ミシュランの輝く星を獲得しているお店もあるのがビックリですね!
水分は全て有料ね!
そして一番の違いは、日本のフードコートはどこも同じようなお店が多いけど、シンガポールのホーカーセンターはチェーン店ではなく個人経営のお店がほとんどであること。つまり、「〇〇のホーカーセンターに行かないと●●のお店のものは食べられない」ということです。
例えば、こちら、ミシュラン君の姿が見えますか?カレーヌードルのお店です。それで4.5ドル~6.5ドルです。1ドルざっくり80円として360円~520円。

衛生レベルはB判定だけどミシュランの威光キラリ。ほら、なんとなくB判定なんて関係ない気がしちゃうでしょ⁈


ホーカーセンターはどこにあるの?
シンガポールでは、ホーカーセンターは結構あちこちにあります。
観光で街中をウロウロすると、突然ホーカーセンターが目の前に現れるのです。
オフィス街にもあります。近隣のビルに勤めるビジネスマンがランチやディナーに利用するのです。
ショッピングセンターにもホーカーセンターがあります。しかもワンフロア全部、ホーカーセンターとか。
そして国民の80%が住むHDBと呼ばれる公営住宅にもホーカーセンターが併設されています。シンガポールは家で食事を作らない家庭も多いため、近所にホーカーセンターが必要なんです。
数店舗しかない小規模なホーカーセンターもあります。ローカルの人の話ではオーナーが飲み物を売って、店子が食事を提供するというのが典型的なパターンだとか。


ラオパサは初めてでも挑戦しやすい立地と清潔さ
地図ではテロック・エア・マーケット(Telok Ayer Market)となっていますが、現在の正式名称はラオパサ・フェスティバル・マーケット(Lau Pa Sat Festival Market)。
シンガポールの正にど真ん中ともいえるロケーションなので、行きやすいホーカーセンターです。MRT最寄り駅はラッフルズ・プレイス。
ラオパサはパッケージツアーで訪れることも多いようですが、とにかく①大きい、②立地が良い、③キレイなので初めてでも挑戦しやすいホーカーセンターです。
ツーリストにも行きやすいですが、観光用ではなく地元シンガポーリアンの大事な台所です。ランチ時はビジネスマンでいっぱいです。
中華・マレー・インド料理といったローカルフードの他、タイ料理、ウェスタン、韓国料理、日本料理と一通り揃っています。
こちらは、うどん屋さん。ラーメンまであります!

たくさんあるお店の中で、日本人に評判が良いのがこちら!Seng Kee Local Delightsというお店です。


ラオパサは多角形の構造なので、時々方向を見失ってしまうのですが、建物の中心に立って、ぐるっと見回し、青い看板にミー(麺)が出ているのが目印。
こちらのホッケンミー(福建麺)、美味しくてオススメです。ミーというのは麺、ホッケンは中国の福建省のことです。

甘めの味付けがフワーっと口の中で広がり、誰でも楽しめるクセのないおいしさです。エスニックフードが苦手な人でも大丈夫!

メニューの写真に並んで貼ってあるシンガポールベストフード”SINGAPORE BEST FOODS”のステッカーは選ばれし店の象徴。目安になります。迷ったら、このステッカーのあるお店を選んではいかがでしょう?
あ、でも結構な確率でこのステッカーを目にします。
どこの店でも、大抵は写真入りメニューが用意されています。食べたいものを指さして、サイズの指定で注文終了。お総菜屋さんやカレー屋さんは実物を指さしてオーダーしましょう。
ビールもデザートも楽しめます。

これはマンゴーアイスカチャン(かき氷)。見て!このたっぷりのマンゴーソース!果肉がゴロゴロ入ってサイコーです!
隠れて見えないところに、コーンとか小豆とか色々な具が入っていて、ぐちゃぐちゃかき混ぜていただきます。
クーラーがんがんのところでは、体が冷えちゃうけど半屋外のホーカーセンターでは、かき氷が本当においしく楽しめます。
美味しいものがたくさんあるホーカーセンターですが、シンガポール人はあまり愛想が良い方ではないので、返事は「あ」で終わったり、「シックス・フィフティー(6.5ドル)!」で終わったりします。気にしないで!
チャイナタウンコンプレックスは地元の香りがプンプンの異文化ワールド
ツーリスト受けするラオパサの次は、ローカル感がハンパないチャイナタウンコンプレックスです。
チャイナタウンコンプレックスの最寄り駅はチャイナタウン。覚えやすいですね。

この建物の2階がチャイナタウンコンプレックスフードセンターです。ラオパサに比べると垢抜けないローカル感150%増し。
平日昼間に座っているのはスーツ姿のビジネスマンではなく、のびたTシャツに中途半端な長さの半ズボンを履いたチャイニーズのおじちゃんたち。
多分、数十年前、シンガポールがこんなに忙しい国になる前からここに座っていたんだろうなーというおじちゃんたち。
仕事してるの?って聞きたくなっちゃうけど、いい意味で古き良きシンガポール、みたいな風情です。
このホーカーセンターでおすすめは、シンガポールの春巻的な軽食、ポピア!1本1.6ドル(約128円)
ポピアは小麦粉の皮でたっぷりの野菜を包んだクレープとも生春巻きとも言えるような、言えないような食べ物。
皮はほんのり甘みがあり、クレープと薄めのパンケーキの中間くらい、しっとりした優しいお味。中身は 大根、ニンジン、キュウリ、レタス、もやし、ピーナツなど。
シンガポール人の友人はカブだと言い張るんですが、私には大根に思えます・・・。
辛いものOKならがスパイシーソースを入れてもらう、NGならノースパイシー(No spicy sauce!)と言えばOK。
ヘルシーなおやつ、といった感じで、歩き疲れて小腹が空いたときにちょうど良いです。旅行中はどうしても野菜が不足しがちですが、こういうローカルフードを知っていると、野菜不足解消になって良いですね!
このお店では、皮だけも売っています。家で好みのものを巻いて食べたり、ホームパーティーで利用したりするそうです。
こちらは同じお店のクエ・パイティー(Kue Pie Tee)。
シンガポールやマレーシアでは、その昔、中国からマレー半島やってきた男性(ババ)が、地元の女性(ニョニャ)と結婚して築いた家庭で育んだ独自の文化をプラナカン(ペラナカン)と呼びます。
プラナカンはパステルカラーの住宅や食器、繊細な装飾を施した衣装などが有名。プラナカンの非常に美しい文化に魅了される女性も多いです。
そして、もちろん独自のお料理プラナカン料理があります。そのプラナカン料理の代表的な前菜がクエ・パイティー。
サクサクとした生地のカップに野菜やエビ、卵などが入っています。
クエ・パイティーも形や食材の豊かな色が、いかにも美意識の高いニョニャの料理といった趣です。

そしてそのプラナカン料理を屋台で手軽に味わえるのが、また良いですよね!こちらのお店では1パック3ドル(約240円)です。

Ann Chin (安珍)
#02-112 CHINATOWN COMPLEX MARKET, BLK 335 SMITH STREET, 050335
このホーカーセンターではもう一つ、ロジャック(Rojak)もご紹介します!

ロジャックは、いろいろな野菜とパイナップルなどのフルーツが入ったサラダなんですが、まぁ見た目は何だか怪しくててビミョーです。
でも口に入れると、トロピカルなアジア!が広がります。トーチジンジャーというショウガの花も刻んで入っています。
ソースの酸味はタマリンドによるもので、酢のようなダイレクトな酸っぱさではありません。
ちょっと甘くて、ちょっと酸っぱくて、ちょっと辛いかも、という濃厚で絶妙な味にピーナッツの風味が合わさっていて、これはゴハンのオカズにはならないけどビールには合う、小腹が空いたときのオヤツにも良い不思議なポジションのお惣菜です。
ロジャックには元々中華系とインド系のものがある上、お店によって材料も変わりますが、こちらのお店はほぼ野菜&フルーツのみ。無骨な見た目とは違って優しい味なので、ぜひ挑戦してみてください。
ロジャックのお店 (ごめんなさい、店舗名不明!でもポピアのAnn Chinの裏側あたりでお店の番地が#02‐98です)

せっかくのシンガポール。ホーカーセンターでローカルゴハンに挑戦したら、バイタリティあふれるシンガポール人に近づけるかも!
観光ついでに是非、挑戦してみてくださいね。